原田先生最終セミナーのお知らせ(2013/2/28)

原田先生から、中部大学での最終セミナーのご案内をいただきましたのでお知らせいたします。皆様奮ってご参加ください。

  • 日時: 2月28日(木) 11時00分~12時30分
  • 場所: 1024教室
  • テーマ: 不安のガヴァナンス
  • 報告者: 原田太津男
  • コーディネーター: 田中高
  • コメンテーター: 高英求

(報告要旨)
 グローバル化とは、世界のあらゆる場所で、経済・政治・社会文化の領域において、幅広い社会階層が<脱領域的な運動過程>に包摂されるとともにそこから排除されるような<不均等>な過程である。「不安のガヴァナンス」とは、これらの包摂と排除をコントロールできる、自分や社会のガヴァナンス(統治)の様式とは何かという「問いかけ」である。今までの生活や仕事のやり方や自分のあり方が不断に「更新」され、それへの適応を迫られる現代の政治経済体制のもとでは、旧来型の福祉国家の解体とその機能の市場への移転が進み、旧来の官僚的組織的統制に代わる新たなガヴァナンスの様式、つまり新自由主義的なガヴァナンスが要求されている。それは、人々を一種の「企業家」とみなし、個々人の「能力」を武器に、その営利追求努力を「公正」とみなすことで、社会を隅々まで「公正」に組織できるという信念の上に成り立っている。別様に言えば、個別の経済主体による自由で効率的な競争による「経済主義」を通じてしか最適な「社会正義」が実現しないという発想が根本にある。
 だが、こうした競争への<恫喝>と<不安>を原動力とする政策の方向性を拒否して新しい公正なグローバル社会の建設を望む動きもまたはっきりと生まれつつある。不安社会の中で胎動する<もう一つのガヴァナンス>あるいは<もう一つのグローバル社会>への希求には、新しい安心と安全の実現が最優先事項として含まれるだろう。開発や福祉に関わる支配的な政治経済的言説を批判的に捉え直し、公正なガヴァナンスを求める民衆の公共行動の上に、人間と社会の安全保障を据えることはできるであろうか。
 本セミナーでは、その可能性をみなさんといっしょに探ってみたい。

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